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連載コラム ハナミズキサンポ

ハナミズキサンポ

秋ですね

  猛暑が過ぎ去り、ようやくお散歩に適した気候になりましたね。空が高くて、朝夕がちょっと涼しくて、よく眠れてよくお腹が空くような感じ。こうなってくると、やはりあったかいものが食べたくなりますね。
  突然ですが、私は『あんかけ』に弱いです。そしてあの熱くてとろりとしたあんがかかっているものは、すべて『ご馳走』と思い込む傾向があります。というわけで、今回は迷わず結玉に向かいます。なぜならここには、蓮根饅頭のきのこあんかけうどんがあるから!
  お出汁の香りの、ほかほかの湯気。その中から、熱々のあんをまとったつるっつるのうどんが出てきます。ああ、日本人に生まれてよかった。みたいな気分に浸りながら、目はちらちらとデザートなんかを見ています。今度、女性と一緒に来たらああいうのを頼んでもいいなあ。うどんと甘いものっていうのも、なんだか秋っぽいような気がするし。

  あんかけのおかげで、お腹の辺りがぽかぽかと温かくなってきました。再び歩き出すと、なんだか可愛いお店がーーってこれは、インナーのお店!? こっちこそ、女性と一緒じゃないとですね。でも店員さんは「男性用のパンツも扱ってるんですよ」と言ってくれました。おお、そういうことなら安心です。

  ウンナナクールは、ワコールグループのブランドらしいですね。イメージが統一されているからか、店内を見ていても「インナーです!」という感じのものが見当たりません。というのも、素材やプリントが、どことなく洋服っぽい。逆に光沢のある布地や、透けてるものなんかはありません。そのせいか、気恥ずかしさは少ないです。驚いたのは、草間彌生さんとコラボレーションしたインナー。芸術の秋を身につけられるというのは、素敵ですね。

秋。うどんと腹巻きでお腹をしっかりあっためて、またお散歩に出ましょう。紅葉の後は、和のデザートが待ってます。

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Text by 坂木 司

1969年、東京生まれ。覆面作家。2002年に、ひきこもり探偵・鳥井真一とその友人・坂木司を主人公にした連作短編集『青空の卵』でデビュー。その他の作品は「ワーキング・ホリデー」、「和菓子のアン」など多数。

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