Dogwood Plaza

連載コラム ハナミズキサンポ

ハナミズキサンポ

熱くて冷たい冬

  急に寒さを感じた日。何かあたたかいものを、と思ったときに食べたいものがあります。それはおそばでもラーメンでもなく、スンドゥブ。漢字で書くと純豆腐。お店の名前もそのものズバリ。東京純豆腐です。
「お待たせいたしました」
  店員さんの声とともに、目の前に石鍋のような器が置かれます。中には、寄せ豆腐のような柔らかい豆腐とたくさんの具。それがスープと一緒にグツグツ煮えています。
  もともとは韓国料理の一つだったスンドゥブ。それがアメリカでヒットし、さらに東京で洗練された結果、バリエーション豊富な料理になったそうです。スープは塩、味噌、ノンスパイシーの三種から選べるようになり、辛さの度合いも調節できるようになっているので安心。選べるといえば、具もすごい。基本の海鮮やお肉の他、野菜にキノコ、明太子にチーズにワンタンまであるんです。
  これはもう、友達と一緒に行って、色々な組み合わせを楽しむしかありませんね。そうそう、飲み放題つきのプランもあるので、気軽な宴会にしてしまうのもいいかも。

  身体はあたたまっても、頭はクールに。落ち着きたいとき、私は文房具や時計を眺めることが多いです。
  moveは、修理工房を抱えた時計屋さん。メインは腕時計で、これぞまさに機能美といったものが並んでいます。ベーシックな物やアンティークも魅力的ですが、ソーラー充電とか登山機能とかは、説明を読んでいるだけでもわくわくしますね。
  これを着けて、自分はどこに行くんだろう。防水機能つきなら海? 耐衝撃ならスポーツ? いくつもの文字盤があるなら、違う国への旅かもしれない。腕時計は、私にとってロマンの入口なのかもしれません。
  でも、機能だけじゃやっぱり寂しい。遊び心を込めたものだって、一本は持っていたい。たとえば日本の伝統色が鮮やかなもの。あるいは、ネコ耳のついた腕時計。つけるだけで、自分の時間が楽しくなるような気がします。
  冬。身体はホットに、頭はクールにいきたいものです。
(本当は、逆のことが多いんですけどね!)

掲載店舗

Text by 坂木 司

1969年、東京生まれ。覆面作家。2002年に、ひきこもり探偵・鳥井真一とその友人・坂木司を主人公にした連作短編集『青空の卵』でデビュー。その他の作品は「ワーキング・ホリデー」、「和菓子のアン」など多数。

Special Contents