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連載コラム ハナミズキサンポ

ハナミズキサンポ

アウトドア欲

  春の嵐に、遭遇した。突風に豪雨。ぽっきり折れたコンビニ傘。こんなとき、普段着をアウトドアウェアにしたくなるのは、私だけだろうか。ゴアテックス使用で、完全防水の服。背負える鞄。どこまでも歩いていける靴。中でも重要だと感じるのは、靴だ。
  靴が快適だと、歩くことが苦にならない。いつもの通勤でも「一駅歩いてみようかな」などと、健康的な気持ちがわいてくる。
  MERRELLの靴は、その一歩を踏み出させてくれる。機能的に優秀なのはもちろんのこと、デザインも派手すぎず汎用性が高い。色が氾濫しがちなアウトドアブランドの中にあって、MERRELLの落ち着いた色彩感覚は貴重だ。
  シーンに応じて様々なラインが用意されているが、中でも好みなのは、布の質感が生かされた『ダスクエアー』シリーズと、タウンシーンのリラックススタイルにぴったりな『ムートピア』シリーズ。理由は、靴を裏返してみるとわかる。表のデザインはシックなのに、この遊び心。私はこれを見て、一気にMERRELLのファンになってしまった。

  ああ、無性にキャンプに行きたい。ダッチオーブンで焼いた肉やらパンを食べたい。そんな気持ちをなだめてくれたのは、ビストロタマの『モンサンミッシェルふわふわオムライス』。器がスキレットというあたりが、アウトドア欲を気持ちよく満たしてくれるのだ。
  ちなみに味は、文字通り。ふわとろのメレンゲ状になった卵の下に、コクのあるチキンライス。今回は贅沢して、ハンバーグ載せを選んだので、さらにゴージャス。ああ、ハンバーグって無条件で幸せ。
  デザートに、名物のタマクーヘンが出る。でも前回食べたものとは、微妙に違う。理由を聞くと、粉を変えたとのこと。グルテンフリーの国産玄米粉を使い、小麦粉は不使用。無添加だから、子供にも安心だ。
  食べてみて、その食感に驚く。米粉特有の重さがない。小麦粉のようなさっくり感があって、言われなければこれが玄米だとは気がつかないだろう。味や質感を落とさずに、原材料だけ変えるというのはすごいことだ。
  コーヒーを飲んで、立ち上がる。さて、ご近所アウトドアの河原にでも行こうかな。

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Text by 坂木 司

1969年、東京生まれ。覆面作家。2002年に、ひきこもり探偵・鳥井真一とその友人・坂木司を主人公にした連作短編集『青空の卵』でデビュー。その他の作品は「ワーキング・ホリデー」、「和菓子のアン」など多数。

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